引退
競走馬の場合、日本中央競馬会 (JRA) では競走馬登録を抹消した時点で引退となる。
引退式については、
GIを勝利した馬
牡馬・騸馬で重賞を5勝した馬
牝馬・障害競走で重賞を4勝馬
以上いずれかの条件を満たした馬と合同で引退式を行う場合(モンテプリンスとシービークロスとの引退式が有名)
など、競馬発展に多大な功績を残した馬で希望すれば競馬開催日に行うことができる。ただし、引退式に掛かる経費は馬主の負担となる。また、重賞を1勝でもすればJRA公式サイトなどで競走馬登録を抹消した旨と今後について告知がなされる。
騎手の場合、騎手免許取消願が受理された時点で引退となる。
騎手には定年制は設けられておらず、引退は体力の限界を判断した場合、成績低迷により騎手としての収入が少なく、生活の維持の為には比較的収入が安定する調教助手や調教師への転向が必要と判断した場合など、自らに委ねられる。
中央競馬の調教師には定年制が導入されており、70歳を過ぎた最初の2月末を以て調教師免許が自動的に失効となり、調教師としての資格を返上することになる(そのため内藤繁春元調教師は定年の無い騎手に転向しようと考え、騎手免許試験を受験した)。
また実績に乏しい調教師は定年が間近になってくると、管理する馬が集まらなくなる傾向にあり、また、優勝劣敗の厳しい勝負の世界であるがゆえに、管理馬の成績不振を直接の原因として厩舎経営に行き詰まるなどして、そのため定年前に自ら調教師免許を返上して厩舎を解散、引退する調教師も少なくない。
地方競馬の調教師については、主催者により千差万別である(定年制の有無など、競馬場・競馬組合毎に規定が定められている)。
なお、競馬法に違反する事件・行為などにより、資格を管理する組織(日本中央競馬会・地方競馬全国協会)から騎手・調教師などの免許の取り消し(剥奪)の処分がなされ、資格を喪失する形で強制的に引退(あるいは管理団体からの解雇)となった場合には、引退という言葉が用いられる事は少ない。
特に競馬マスコミなどでは『競馬界追放』などの表現がなされ、これが引退を事実上意味するものとなる(田原成貴の逮捕による調教師免許剥奪時にこの表現が使用されていた)。