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インブリード

インブリード (Inbreeding) とは、馬、犬、レース鳩といった家畜や愛玩動物の、近親交配のことである。その定義は交配する生物によって微妙に異なる。対義語はアウトブリード。

日本では競走馬や肉牛(特に繁殖牛)の生産や選別、血統を語る際において使用されるのが中心で、畜産分野や競馬産業から持ち込まれた用語といえるが、競馬シミュレーションゲーム「ダービースタリオン」シリーズの大ヒットにより、一般にもこの言葉が広く知られる事となった。

他方、純血種の犬や猫などの生産に関わるペット業界では、生産効率の向上や小型化などを意図した一部の生産者により、このインブリードを意図的かつ過剰に発生させるケースが近年相次いでいる。

この結果として奇形や感覚障害といった先天的な問題を抱えるペットが少なからず生産され、テレビ番組でも取り上げられるなど大きな問題に発展している。

しかし、インブリードは品種改良や品種のスタンダード維持の重要な手段でもあるため、これについては血統登録などでの規制等を行う事も極めて困難でもあるという一面も持っている。

インブリード概要

サラブレッドを生産するときには、良質な劣性遺伝子をホモ化して特定の能力を固定する目的で意識的に近親交配を行うことがある。

一方、悪質な劣性遺伝子がホモ化すると気性難を引き起こしたり体質が弱くなるなどの悪影響が発生する可能性がある。

チャールズ・レスターは著書『サラブレッドの生産』において、「近親繁殖の目的は、われわれが近親繁殖を行った、その祖先の影響を強めるためである」、「それは、たとえば両親のいろいろな要素をふくんでいる同じ井戸から、2回くみだす作業だと言える」、「われわれが井戸からくみ出す時には、よい成分も悪い成分もどちらもくみ出すことになる」と述べている。

古来から極端に強いインブリードは避けるべきと考えられているが、マルセル・ブサックのように極端に強いインブリードを好んで行った生産者もいる。また、インブリードを持つ種牡馬は遺伝力が強いと言われる。

血統表においてインブリードとなる馬を表すときには、数字を用いて4×5のような表記を用いる。この数字の意味は共通して現れる祖先の位置を表すもので、配合する種牡馬および繁殖牝馬を1として扱い、その親となる馬に対しては2,3,4…と順番に数が増える。例えば父方の祖父と母方の祖母の父が同じ馬であるときには2×3という表記になる。

また、このときに三代前の祖先と四代前の祖先が同じ馬になる、即ち4×3(もしくは逆に3×4)となる配合は、奇跡の血量18.75%と呼ばれ、過去に数々の名馬を輩出したことで知られている。この奇跡の血量については、元々はアメリカで考案された概念であると言われており、日本国内ではトキノミノル(ザテトラークの3×4)の活躍によって注目されだしたと言われる。

基本的にインブリードが発生する場合、共通となる祖先は種牡馬である場合が多いが、まれに牝馬のインブリードが発生する場合がある。

エルコンドルパサーの場合、スペシャルとリサデルの全姉妹クロス4×4×3のインブリードが発生している(全兄弟・全姉妹は同一の父母を持つため、インブリードを考える上では同一の馬と見做して考える場合がある。

ちなみにこの馬の場合、ノーザンダンサーの4×3の奇跡の血量でもある)。なお、11年連続リーディングサイヤーに輝いたノーザンテーストは、Lady Angela(ニアークティックの母)の3×2という名牝の強いインブリードを持っている事で有名である。

日本の馬産におけるインブリード

日本の馬産におけるインブリードは、血統というものがサラブレッドにとって極めて重要なものであると認識された頃から既に生産者に意識され試みられている。

歴代顕彰馬の中でも最も生まれが早いクモハタもハンプトンの5×5とセントサイモンの5×5を持っている。

生産者以外でも意識され始めたきっかけは、トキノミノルが10戦全勝で日本ダービーを制した事で、その血統にあったザテトラークの「3×4」という配合が、名馬が多く誕生する「奇跡の血量18.75%」としてスポーツ新聞などでもてはやされる様になった事によるとされる。

なお、「3×4」、「18.75%」という血量の根拠については諸説あるものの、現在に至るまで有力な決め手になるものは無い。

ただし、一説ではトキノミノル亡き後、同年の菊花賞を制したトラックオーもブカンの3×4というインブリードを持っていた事により、日本では定説になったという説がある。

また、この「奇跡の血量」を持つ日本の競走馬としては、著名な所ではコダマ(ブランドフォードの4×3)、トウショウボーイ(ハイペリオンの3×4)などがいる(ちなみにこのハイペリオン自身もセントサイモンの3×4を持つ事で知られる)。

現在の状況としては1980年代にノーザンテースト、マルゼンスキーが大成功した事もあり、2頭の共通の祖先であるノーザンダンサーの血を引く繁殖馬が非常に多く、1990年代を中心にノーザンダンサーの「奇跡の血量」を持たせる交配が積極的に試みられた。

その一方で、1990年代後半からは日本馬産史上最大の成功種牡馬とも言われるサンデーサイレンスから広がった血統を持つ種牡馬・繁殖牝馬が、日本の馬産史上かつて無い速度で広まっている。

そのため、近い将来にはサンデーサイレンスの血統とそのインブリードを持つ馬で飽和状態となり、やがて「日本版セントサイモンの悲劇」の様な事態が起きるのではないかという懸念を示している者もいる。

だがセントサイモンの時代と現在の生産・流通事情は大きく異なるため、同様の状況に至る可能性は低い。

その一方でインブリードの効果による強烈な能力を持った馬の誕生を期待して、実績を残した種牡馬の濃いインブリード交配に挑む生産者もいる。また、九州地方など種牡馬と繁殖牝馬の数が限られている地域では、その限られた組み合わせの中での配合という事情から発生してしまう事もある。

実際、サンデーサイレンスの血脈は日本に登場してからまだ15年も経っていないが、サンデーサイレンスの2×3という馬産の常識的な概念からはやや危険と考えられるインブリードを持った馬が九州産馬などで既に何頭か現れている。その中には、サンデーサイレンスの2×3とトウショウボーイの3×3を併せ持つ血統配合の馬もいる。


なお、平成以降の日本のサラブレッド馬産における極限の近親配合は、記録に残る限りでは血統名「リトルジャスミンの1994」のトドロキヒホウの1×2(父と母の父が同じ馬)というものがあるが、これは種付け時の手違いによって起きてしまったもので、生産者の意図によるものではなかったとされている。

インブリードの問題点

上記の様にインブリードは強い馬作りには効果的であるとされる反面、極端な近親交配を避ける観点から、繁殖馬とした時に交配可能な相手が限られるという問題もある。

そのため、特定の血統が繁栄しすぎると、その血筋を濃く受けている繁殖馬、特に種牡馬にとっては、交配可能な相手が限定され、また似た様な血統構成を持つ数多くの種牡馬との競合にもさらされ、かえって活躍の場が狭まるという事態が起きる。

古くは「18世紀の三大名馬」の一頭に数えられるハイフライヤーや、20世紀初頭の「セントサイモン」に知られ、現在ではノーザンダンサー系の種牡馬にもその兆候が懸念されている。

日本国内で供用された近年の種牡馬では、ノーザンダンサーの2×4を持つラムタラがノーザンダンサーの血が欧米以上に溢れ返ると言われる日本では近親交配の問題で相手が限定され、活躍できずに終わっており、その最典型として挙げられる事が多い(他方、この種牡馬については血統面以外でもサンデーサイレンス産駒の活躍による相対的なスピード能力の不足などの指摘もされている)。

他方では、同じくノーザンダンサーの3×3を持ち、自身も競走馬生活では体調難に苦しんだフサイチコンコルドが種牡馬としてGI優勝などの活躍馬を出しているなど、単純に名馬の濃いインブリードがすなわち「悪」というものでもない。

競走馬は自然交配によって生み出され、実際に産駒を走らせてみるまでは親である繁殖馬についても一概な評価はできず、インブリードについてその利点問題点を語る際の難しさもこの点にあると言える。

また、種牡馬として成功したところで、健康な馬を作るために強い近親交配を避ける観点から交配可能な繁殖牝馬が限定される点については変わりが無い。実際、フサイチコンコルドにしても、ノーザンダンサーのインブリードを自身も持っている繁殖牝馬との配合は危険と考えている生産者は多い。

いずれにせよ、突き詰めれば抜きんでて優れているが故にその血統で溢れ過ぎ、極端な近親交配を避ければ交配困難となって血統が衰退するという、サラブレッドという品種の馬産の趣旨からすればおよそ相反した悩ましい事態とも言える。

インブリードの遺伝学上の見地

これらの説に遺伝学的に充分な説得力があるわけではない。

劣性遺伝子は不利なものがほとんどである。

ある一つの生物学的性質に注目した場合(例えば肉体の強靱さ)、それに関わる対立遺伝子のうち競走馬として有利さをもたらす遺伝子が劣性で、不利さをもたらす遺伝子が優性だった場合、その優性な遺伝子を持つ個体は「肉体が強靱でない馬」となるため、厳しい人為淘汰(とそれ以前の生存競争)によって取り除かれ、「劣性で有利な遺伝子」を持った個体ばかりが残る。

これが競走馬(または生物)にとって不利な(あるいはそれほど有利でない)遺伝子が、優性であれば存続することができず、劣性のものが細々と継承されるプロセスである。

もしも全く自然および人為淘汰が働かず、馬の生存が運不運のみで決まる環境であれば、「優性だが不利な遺伝子」が多く残り「劣性だが有利な遺伝子」を包み隠してしまうことがあり得る。

その環境ではインブリードはより大きな効果を発揮するが、しかしサラブレッドの置かれている環境はそれとは正反対である(ただしサラブレッドの歴史の初期には一定の効果をもたらした可能性はある)。

「劣性で有利な遺伝子」のホモ化以外の意義として、集団内で「劣性で不利な遺伝子」の割合を下げる方向に働くことや、インブリードされている数世代前の名馬の遺伝パターンの再現(ホモ化ではなく複数の遺伝子の関連を考える)などと色々理由を考えることは可能であるものの、いずれも説得力は弱い。

奇跡の血量と呼ばれる値については科学的根拠はない。そもそも18.75%というのは、単に「その祖先と、2親等より少なく3親等より多くの遺伝子を共有している」ことしか意味しない(そのうち0.78125%が重複しているので、実際の共有率は18%弱である。

また祖先と同じ遺伝子が発現する率は4.88%強である)。論理的には、有利な劣性遺伝子が不利な劣性遺伝子より多いことはありえず、どの遺伝子を継承するか自然交配では選ぶことができない以上、不利な遺伝子の発現を避けるために遺伝子の重複度は極力低くなる方が望ましい(イヌで純血種より雑種の方が一般に平均寿命が長いのもこのためである)。

特に強いインブリードを持つ活躍馬

サラブレッドは父が同じでも兄弟という扱いはされないが、ここでは説明の便宜上兄弟とする。
コロナティオン(トウルビヨン2×2、テディ4×4半兄弟同士の配合) – 凱旋門賞
ハイタイム(ドミノ3.3×2、半兄弟同士の配合で生まれたアルティマスにさらに父の半妹を交配) – 米リーディングサイアー
オオヒエイ(アングロアラブ。スカレー2×2)- 全日本アラブ大賞典
ニットウチドリ(マーマハル4×5、ブランドフォード5×5、テディ5×5、ファロス(フェアウェイ)5×5、父内にゲインズバラ5.5×5、フライアーズドーター5×5、母内にブレニム5×5、母の父内にウガンダ5×5)- 桜花賞、ビクトリアカップ
ダイシンフブキ(ナスルーラ3×3.4。ナスルーラ3×4に加え、母父母にナスルーラの全妹を持つ。) – 朝日杯3歳ステークス
エルコンドルパサー(ノーザンダンサー3×4。スペシャル(リサデル)4×3.4。ネイティヴダンサー4×5)- ジャパンカップ、サンクルー大賞、NHKマイルカップ
シンコウキング(ノーザンダンサー2×3) – 高松宮杯(GI)
ストーミングホーム(ミスタープロスペクター2×3) – チャンピオンステークス、チャールズウィッティンガム記念ハンデキャップ

インブリードと人間

人間に対しては、特に中世ヨーロッパにおいて、「近親姦によって産まれた者」という意味で差別的、侮蔑的に用いられた。

他方で、洋の東西を問わず、長い歴史を誇る旧家や王侯貴族などには、「自家の血統を濃く残すべし」「他家の血を混ぜない」など血統の純潔性を重んじる考え方を綿々と受け継いできた家も少なくない。また、ハプスブルク家の様に所領分散防止などの一族の戦略的な観点から近親婚を続けていた家系も見られる。

その中には、何世紀にも渡り、また現在も近親婚により血脈を繋いでいる、あるいは近代までその様な習慣を続けてきた家系や、さらにはサラブレッドのインブリードと同様に、「(多大な功績を残した)特定の祖先の血(血量)をより濃く残してゆく事」を目的に一族内で婚姻の相手を決める様な家系も存在する。

関連項目

アウトブリード
ニックス
競走馬の血統

引退

競走馬の場合、日本中央競馬会 (JRA) では競走馬登録を抹消した時点で引退となる。

引退式については、

GIを勝利した馬
牡馬・騸馬で重賞を5勝した馬
牝馬・障害競走で重賞を4勝馬

以上いずれかの条件を満たした馬と合同で引退式を行う場合(モンテプリンスとシービークロスとの引退式が有名)

など、競馬発展に多大な功績を残した馬で希望すれば競馬開催日に行うことができる。ただし、引退式に掛かる経費は馬主の負担となる。また、重賞を1勝でもすればJRA公式サイトなどで競走馬登録を抹消した旨と今後について告知がなされる。

騎手の場合、騎手免許取消願が受理された時点で引退となる。

騎手には定年制は設けられておらず、引退は体力の限界を判断した場合、成績低迷により騎手としての収入が少なく、生活の維持の為には比較的収入が安定する調教助手や調教師への転向が必要と判断した場合など、自らに委ねられる。

中央競馬の調教師には定年制が導入されており、70歳を過ぎた最初の2月末を以て調教師免許が自動的に失効となり、調教師としての資格を返上することになる(そのため内藤繁春元調教師は定年の無い騎手に転向しようと考え、騎手免許試験を受験した)。

また実績に乏しい調教師は定年が間近になってくると、管理する馬が集まらなくなる傾向にあり、また、優勝劣敗の厳しい勝負の世界であるがゆえに、管理馬の成績不振を直接の原因として厩舎経営に行き詰まるなどして、そのため定年前に自ら調教師免許を返上して厩舎を解散、引退する調教師も少なくない。

地方競馬の調教師については、主催者により千差万別である(定年制の有無など、競馬場・競馬組合毎に規定が定められている)。

なお、競馬法に違反する事件・行為などにより、資格を管理する組織(日本中央競馬会・地方競馬全国協会)から騎手・調教師などの免許の取り消し(剥奪)の処分がなされ、資格を喪失する形で強制的に引退(あるいは管理団体からの解雇)となった場合には、引退という言葉が用いられる事は少ない。

特に競馬マスコミなどでは『競馬界追放』などの表現がなされ、これが引退を事実上意味するものとなる(田原成貴の逮捕による調教師免許剥奪時にこの表現が使用されていた)。

アメリカンナンバー

アメリカンナンバー(Amelican Numbers)またはアメリカンファミリー(Amelican Families)はサラブレッドなどの競走馬を分類する牝系のひとつで、ジェネラルスタッドブックに記載された繁殖牝馬に遡れない北アメリカの母系の総称である。

アメリカンナンバー概要


ファミリーナンバーの概念が登場した当時に、血統書の紛失などの理由で血統が不明確になっているものの、サラブレッドの牝系として認知された北アメリカの競走馬の牝系を分類したものである。

アメリカ合衆国で製作された独自の血統書「アメリカンスタッドブック」を元に番号が割り振られ、現在までに公式として認知された牝系が39本存在する。

ジェネラルスタッドブックへと遡れないとされるが、いずれも本来はイギリスのファミリーナンバーへと遡れるものであると考えられており、有名なところではA4号族はファミリーナンバー21号族に遡れることが有力視されている。

現代においては繁殖牝馬の輸出などで、北アメリカ以外にもアメリカンファミリーの競走馬・繁殖牝馬が導入されている。日本で競走・繁殖生活を送ったアメリカンファミリーの競走馬の代表例に、ヤマニンパラダイス(A4)やタカエノカオリ(A31)、タカオー(A39)などがいる。

基礎牝馬

現在までに認知されているアメリカンファミリーはA1からA39までの39本で、それ以外にもa40からa90までの牝系の存在が確認されている。以下はA39までの基礎牝馬を示す。

No. 基礎牝馬名 代表的な馬 備考
A1 Janus mare No. 1(生年不詳) Exterminator、Ben Brush
A2 Janus mare No. 2(生年不詳) Springside
A3 Medley mare No. 1(生年不詳) Spendthrift、Chant
A4 Medley mare No. 2(生年不詳) Swaps、Iron Liege 21号族に遡るとされる
A5 Fearnought Mare(生年不詳) Holiday、Royal Tourist
A6 Fearnought Mare(生年不詳) Tenpenny
A7 Fearnought Mare(生年不詳) Tom Ochiltree、Dan Sparling
A8 [Sampson] Sawyer’s Midge(生年不詳) Dr Rice、Burning Star
A9 Fearnought Mare(生年不詳) Aristides、Brumelli
A10 Harrison of Brandon Mare(生年不詳) Lord Murphy、Crickmore
A11 Brimmer Quarter Mare(生年不詳) Duke of Magenta、Faireno
A12 Tristram Shandy Mare(生年不詳) Paul Kauvar、Selika
A13 Randolph of Chatsworth Mare(1746年) Vagrant、Lookout
A14 [Webb’s] Shepherdess(1781年) Ten Broeck
A15 Miss Bell(1750年?) A9号族に遡るとされる
A16 Bellair Mare(生年不詳) Alan-a-Dale、Nancy Lee
A17 Pegasus Mare(生年不詳) Yo Tambien、Willie W.
A18 Tryal Mare (1754年?) Typhoon、Tecumseh A13号族に遡る
A19 Jenny Dismal (1752年?) 6-aに遡る
A20 Silvertail Mare (生年不詳) Grenada
A21 Quicksilver Mare(生年不詳)
A22 Bowie (Buie) Mare(生年不詳) Donerail、Irish Lad
A23 McKinney’s Roan Mare(生年不詳) Montrose
A24 Vampire Mare(1768年?) Macbeth
A25 Jefferson’s Barb Mare (生年不詳)
A26 Jolly Roger Mare(生年不詳) Tambour、John Bell
A27 Tippoo Saib Mare(1780年) Behave Yourself、Good and Plenty
A28 Grey Diomed Mare(生年不詳) Calvin、Tom Bowling
A29 Diomed Mare(生年不詳) Red Rocks、Lucy May
A30 Citizen Mare (生年不詳) Picknicker、Harry Cooper A25号族に遡る
A31 Monkey Mare(1740年?) タカエノカオリ
A32 Citizen Mare(生年不詳) Carley B.
A33 Brilliant Mare(生年不詳) Tremont
A34 Bolton Mare(生年不詳) Belle of Runnymede、Effendi
A35 [Jackson’s] Pacolet Mare(生年不詳) Sunny Slope
A36 Medley mare No. 3(生年不詳) Judge Himes
A37 Anderson’s Grey Mare(生年不詳) Culpepper
A38 Top Gallant mare(生年不詳)
A39 Fearnought Mare(生年不詳) タカオー、トサオー

アーニングインデックス

アーニングインデックス(Average Earning Index)とは、競馬においては、種牡馬の成績を表す1つの指標で、種牡馬別の産駒収得賞金に関する指標である。略してEI、またはAEIとも記述される。

全競走における競走馬1頭あたりの収得賞金に対する、ある種牡馬の産駒1頭あたりの収得賞金の比率をあらわしたもので、以下の数式で表される。

(産駒の総収得賞金) (全出走馬収得賞金)
────────── ÷ ──────────
(産駒の出走頭数) (総出走頭数)

1が平均値となり1より大きい場合は産駒1頭あたりの獲得賞金が平均より多く、1より小さい場合は産駒1頭あたりの獲得賞金が平均より少ないことを表している。

リーディングサイヤーは、産駒の総獲得賞金で順位を決めるが、アーニングインデックスを併用すると少ない産駒で賞金を稼いでいるかあるいはその逆なのかが分かる。

ただし、出走頭数が少ない種牡馬の産駒が大レースに勝つと、この値は極端に高い値を示すので注意が必要である。

例: 2004年度のPleasant Tap(タップダンスシチーの父)は日本における出走頭数が2頭でAEIが35.53となった。

その他では1992年のMajestic Light(ニシノフラワーの父)や1993~1994年のSharrood(ビワハヤヒデの父)も、当時日本における出走産駒がそれぞれ挙げた産駒各一頭ずつであった事から、この数値を語る上で例としてよく挙げられている。

2004年度の日本(サラブレッド総合、平地 + 障害)のリーディングサイヤーランキングとアーニングインデックスは、下記のとおり。

順位 種牡馬名 出走回数 出走頭数 勝利回数 勝利頭数 AEI 収得賞金(円)
1 サンデーサイレンス 3,074 550 449 266 4.29 9,076,931,000
2 ダンスインザダーク 2,462 343 497 76 2.01 2,649,028,000
3 ブライアンズタイム 1,846 293 218 126 2.15 2,420,894,000
4 フジキセキ 1,775 299 193 121 1.71 1,965,479,500
5 サクラバクシンオー 1,859 274 184 120 1.58 1,668,575,500
6 フォーティナイナー 1,148 178 127 75 2.37 1,621,532,000
7 アフリート 1,743 251 219 111 1.61 1,550,884,500
8 トニービン 913 131 89 55 2.83 1,424,215,000
9 バブルガムフェロー 1,846 276 235 130 1.25 1,331,005,500
10 エンドスウィープ 697 109 115 67 3.08 1,292,751,000
11 ティンバーカントリー 1,614 196 175 95 1.70 1,278,492,000
12 アジュディケーティング 2,211 287 273 151 1.08 1,195,538,500
13 ジェイドロバリー 1,890 286 218 124 1.08 1,185,673,000
14 ウォーニング 1,192 154 124 69 1.94 1,148,319,000
15 メジロライアン 2,054 238 181 102 1.22 1,120,858,100
16 タイキシャトル 1,024 163 125 72 1.66 1,041,361,000
17 タマモクロス 1,649 193 156 80 1.33 985,708,000
18 マーベラスサンデー 1,246 165 142 75 1.55 980,614,000
19 シャンハイ 2,302 298 292 161 0.80 916,227,500
20 コマンダーインチーフ 2,206 292 202 100 0.81 912,701,000

関連項目

コンパラブルインデックス

上がり馬

上がり馬(あがりうま)とは競馬において、急激に力をつけて下級の条件戦から格上の条件へと勝ち上がってきた競走馬のことである。

具体的には実力を付けてトントン拍子に上級に昇格したり、低迷していたがある時期を境に好成績を収めるようになった競走馬のことを指す。

日本の競馬では「夏の上がり馬」という用語がある。これは夏季開催を経て力をつけ上級のクラスに昇格し、秋のG1戦線で活躍を見せた競走馬のことである。

特に3歳クラシック三冠競走において、春の2冠(皐月賞、日本ダービー)に出走が叶わなかった下級条件馬が夏競馬で実力をつけて勝ち上がり、そのままの勢いで最後の1冠・菊花賞に出走して好走する例が多く見られる。

代表的な上がり馬

馬齢は現在の表記である。
アカネテンリュウ
1969年の菊花賞馬。3歳春季までは下級馬であったが夏の函館開催から「戦後最大の上がり馬」と形容される急成長し、その年の菊花賞を制す。

メジロマックイーン
1990年の菊花賞馬。3歳春季までは骨膜炎の影響などで結果が出ず下級に甘んじていたが、夏季に準オープンまで勝ち上がった。菊花賞は重賞初出走で出走回避馬が出たおかげで賞金不足ながら出走にこぎつけたが、これを制す。

マヤノトップガン
1995年の菊花賞、有馬記念の優勝馬。デビューしてから3歳春頃までの7戦はダートの競走に出走していたが2勝しかできなかった。8戦目で初めて芝の競走で好走してから徐々に本格化し秋は神戸新聞杯と京都新聞杯で2着に入った後、菊花賞と有馬記念を連勝する。

マチカネフクキタル
1997年の菊花賞馬。夏の福島競馬を経て力をつけ秋は神戸新聞杯と京都新聞杯と重賞を連勝、勢いそのままにその年の菊花賞を制した。

ヒシミラクル
2002年の菊花賞馬。初勝利まで実に10戦を要したがその後は条件戦を勝ち上がり、神戸新聞杯6着を経て出走した菊花賞を10番人気で制する。

オウケンブルースリ
2008年の菊花賞馬。体質が弱くデビューは皐月賞の翌週、初勝利は東京優駿の翌週と遅れを取ったがその後はトントン拍子に実績を重ねた。デビューから184日目での菊花賞制覇はグレード制導入以降での最短記録である。

スリーロールス
2009年の菊花賞馬。デビュー戦こそブエナビスタ・アンライバルド・リーチザクラウンと同期であったが2勝目は皐月賞後の5月であった。9月に1000万下条件を勝つと次走の菊花賞では8番人気ながらアンライバルド・リーチザクラウンに先着し見事に優勝した。

ビッグウィーク
2010年の菊花賞馬。2戦目以降4連続2着となかなか勝ちきれず、7月にようやく初勝利。そこから条件戦を2連勝した後に神戸新聞杯3着で出走権利を得て、本番では7番人気ながら見事優勝した。

上がり

競馬における上がり(あがり)とは、競走(レース)および調教用のコースを利用した調教における終盤の走破タイムのことをいう。

レースにおける上がり

競馬のレースにおいてはゴールまで3ハロンないし4ハロンの地点からペースアップすることが多いため、終盤3ハロンの走破タイムを上がり3ハロン、終盤4ハロンの走破タイムを上がり4ハロンと呼ぶ。

上がりのタイムはそのレースに出走した競走馬ごとに集計するものと、そのレース全体(それぞれの地点において先頭の馬を基準とする)として集計するものとがある。

前者はその競走馬がレース終盤において示したパフォーマンスを、後者はレースそのものの内容を測る指標とされる。後者については、競馬場において着順掲示板に表示されることが多い。

日本ではレースにおける、上がり3ハロンのタイムが重要視される(海外では計測しない国が多い)。

特に芝の中距離から長距離における差し馬、追い込み馬には上がり3ハロンのタイムは重要視される要素で、これを見て馬の善し悪しを決める人も多い。

かつては芝が現在ほど軽くなかったため一流の差し、追い込み馬でも上がり3ハロンはおよそ37秒台から35秒台であったが、1990代半ばを過ぎると芝の高速化が進み、およそ36秒台から34秒台を計測するようになっている。

そして高速化が顕著になった近年では35秒台から33秒台、速い時には32秒台を記録するなど芝の高速化が顕著に数字に出てきている。また、直線が長い競馬場のほうが上がりが優秀なタイムが出やすい。ヨーロッパには直線の長いコースが多いが、日本はほとんどが直線の短いコースである。

なお、過去の馬と現在の馬を数字で比べる時に上がり3ハロンの優劣だけで決めることができない。

例を上げれば、三冠馬のミスターシービーが、1984年に上がり3ハロン33.7秒(推定)を計時し驚かせたことがあり、現在でも優秀な数字ではあるが、かつての馬場を考慮すれば破格の好時計であったことがうかがえる。

調教における上がり

コースを利用した調教においては、序盤から速く走らせる場合と序盤は緩やかなペースで走らせ終盤にペースを上げていく場合とがあり、必ずしも上がりのタイムの数値が調教に対する評価の良し悪しに直結するわけではない。

ただし一般的には、調教全体として同程度のタイムで走破した場合、上がりのタイムが早いほうがより高く評価される。

アウトブリード

アウトブリード (outbreeding) とは、馬、犬、レース鳩などの生物の交配における用語で、近親配合ではないことを指す言葉である。異系交配ともいう。対義語はインブリード。

馬におけるアウトブリード

サラブレッドはその性質上近親交配を行うのが常であるが、体質が弱くなるなどの副作用が発生すると言われており、これを回避するための交配において、特に5代前までの血統に共通した祖先がいない場合、アウトブリードと呼ばれる。

また、専門家の中ではもっと厳密に分けて5代血統表の中に全く共通した祖先がいない場合はアウトクロスと呼び、父または母にインブリードがあるが両親の間にインブリードが発生しない場合のみをアウトブリードと呼ぶ場合がある。

およそ競馬のサイクルとしては遺伝力の強い種牡馬が現れ、その血を引く馬が大量に生まれると血統が飽和して衰退すると言われている。

このときに異系の種牡馬が現れるとアウトブリードとなって活躍するとも言われている。1990年、日本に輸入されたサンデーサイレンスは典型的な異系種牡馬であり、ナスルーラ(主にテスコボーイやプリンスリーギフト)、ノーザンダンサー(主にマルゼンスキーやノーザンテースト)の血統で溢れていた日本の多くの繁殖牝馬に対して5代血統表に共通の祖先を持たないアウトブリード種牡馬となり、これらの牝馬と相性が良い場合が多かったこともあって大きな影響を及ぼした。また、アウトブリードで成功した競走馬にはタフな馬が多いとされる。


ただし、これらの概念は生産者側の経験則によって支えられている面があり、様々な血統理論が展開されている現在でも、科学的な根拠として提示されているものを探すのは難しいのが現状である。

アウトブリード血統の主な顕彰馬・GI(級)競走勝ち馬(日本国内)

メイヂヒカリ
ダイコーター
タケシバオー
テンポイント(父方5代前にPharosとFairwayの全兄弟クロスがある)
メジロティターン
メジロマックイーン
ライスシャワー
ホクトベガ
ヤマニンゼファー
ナリタブライアン
メジロドーベル
アグネスデジタル
アグネスタキオン
カネヒキリ
ディープインパクト
アウトブリード血統の主な有名馬(海外) [編集]

クレペロ
ミルリーフ
セクレタリアト(母サムシングロイヤルも5代内アウトクロス)
カーリアン
ドクターデヴィアス
ガルチ(5代前にBull dogとSir Gallahadの全兄弟クロスがある)
シガー
ウォーエンブレム
シーザスターズ

関連項目

インブリード
ニックス

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