ブエナビスタ
ブエナビスタ 英字表記 Buena Vista 香港表記 迷人景致 性別 牝 毛色 黒鹿毛 生誕 2006年3月14日(5歳) 登録日 2008年5月7日 父 スペシャルウィーク 母 ビワハイジ 母の父 Caerleon 生国 日本(北海道早来町) 生産 ノーザンファーム 馬主 サンデーレーシング 調教師 松田博資(栗東) 調教助手 松田剛 厩務員 山口慶次 主戦騎手 安藤勝己 →横山典弘 →クリストフ・スミヨン →岩田康誠 競走成績 生涯成績 21戦8勝 獲得賞金 (中央)11億1298万9000円 (海外)100万USドル (2011年6月26日現在) JPN L121 / 2010年 勝ち鞍 GI:ヴィクトリアマイル、天皇賞(秋)(2010年) JpnI:阪神ジュベナイルフィリーズ(2008年) 桜花賞、優駿牝馬(2009年) GII:京都記念(2010年) GIII:チューリップ賞(2009年) ブエナビスタ(西:Buena Vista、香:迷人景致)は日本の競走馬。
馬名の由来は、スペイン語で「素晴らしい景色、絶景」。草野仁が一口馬主として出資していることでも知られる[1]。
ブエナビスタ 経歴
ブエナビスタ 2歳(2008年)
京都競馬場の芝1800メートルの新馬戦に安藤勝己とのコンビでデビューした。このレースには後の皐月賞馬アンライバルド、東京優駿2着馬リーチザクラウン、菊花賞馬スリーロールスが出走していた。1番人気に支持され最後の直線で上がり3Fメンバー中最速の脚を使うものの、3着に敗れた。しかし続く未勝利戦では最後の直線でやや斜行しながらも抜け出し、圧倒的1番人気に応えて勝利した。 その後、阪神ジュベナイルフィリーズに登録。抽選を通過し、JpnIの舞台に駒を進めた。未勝利戦を勝ち上がったばかりの1勝馬ながら1番人気に支持されるとスタートこそ良くなかったが道中は最後方で脚を溜め、最後の直線で大外から他馬を抜き去り最後はダノンベルベールに2馬身半差をつけて勝利した。なお母のビワハイジも1995年に前身の阪神3歳牝馬ステークスで優勝しているため、母娘2代の制覇となった。レース後、手綱を取った安藤は「直線で先頭に立つと、馬が遊んでいた」と語った。
ブエナビスタ 3歳(2009年)
ブエナビスタ 春
チューリップ賞から始動した。単勝1.1倍の圧倒的人気に支持されるなか道中最後方に位置し3角からマクリ気味に進出すると直線で逃げるサクラミモザを残り200mから差し切り、1馬身差以上をつけて勝利した。 迎えた4月12日、クラシック1冠目の桜花賞に出走。単勝支持率が67.5%(オッズは1.2倍)と18頭立てとなった1987年以降では最高記録となる、圧倒的1番人気に支持される。レースはスタートから後方を進み第4コーナーを回った後直線入り口で前にいたジェルミナルとレッドディザイアを不利を避けるために先に行かせ、そこから大外に持ち出し先に抜け出したレッドディザイアを交わして優勝した。 続いて牝馬二冠を達成すべく5月24日、東京競馬場の優駿牝馬(オークス)に出走した。初の2400mや長距離輸送などが懸念されたが、ここでも1.4倍の圧倒的支持を得る。レースでは桜花賞と同じく後方から進み最後の直線で抜け出しあぐねたがそこからは末脚を繰り出し、先に内から抜け出したレッドディザイアをハナ差差しきって優勝、史上11頭目、スティルインラブ以来の牝馬二冠を達成した。
ブエナビスタ 秋
その後、凱旋門賞までのプランが明かされ札幌記念から凱旋門賞に行くことが決まった。そして札幌記念では圧倒的1番人気に推されたが先行したヤマニンキングリーを捉えきれず、クビ差の2着に終わった。この直後、調教師の松田博資は凱旋門賞への出走を断念し秋華賞を秋の目標とすることを明らかにした[2][3]。 その秋華賞は単勝1番人気に推されスティルインラブ以来の牝馬三冠を期待されたがゴール直前で先行するレッドディザイアを猛追するもハナ差の2位入線、しかし審議により3位入線のブロードストリートの進路を妨害したとして3着に降着処分となった。 次走はエリザベス女王杯に出走。レッドディザイアがジャパンカップに向かったこともあり古牝馬のリトルアマポーラやカワカミプリンセス、前走で進路を妨害されたブロードストリートを抑えて圧倒的1番人気に支持される。しかし3番手争いがお互い牽制しあったこともあり、逃げるクィーンスプマンテとテイエムプリキュアと3番手との差が最大20馬身近くまで広がる展開となった。上がり3ハロンを32.9秒というタイムで追い詰めるも、逃げた2頭に届かず、3着に敗れた。 第54回有馬記念では、デビューから手綱を取ってきた安藤から横山典弘へ乗り替わりになった。このレースでも単勝1番人気に支持され、レースではこれまでと変わり先行策を採る。直線では一旦先頭に立つが、外から伸びたドリームジャーニーの2着に終わった。このレースは最初の900mが52.2秒とハイペースであり、先行勢で5着以内に入ったのはブエナビスタだけであった。
ブエナビスタ 4歳(2010年)
4歳緒戦はドバイへの壮行レースとして京都記念を選んだ。このレースには有馬記念で敗れたドリームジャーニーも出走していたが単勝1.5倍の支持を受ける。前走同様先行し、ゴール前ジャガーメイルに迫られたがそこから脚を伸ばし半馬身差をつけ勝利。優駿牝馬以来の勝ち星を挙げた。兄のアドマイヤオーラも2年前の京都記念を制しており兄妹制覇となった。迎えたドバイシーマクラシックは直線追い上げるも、同じく牝馬のダーレミを交わしきれず2着に敗れた。 ドバイ遠征帰国後のレースとなったヴィクトリアマイルでは1番人気に支持された。レースは中団のやや後ろの位置を進み、最後の直線で追い上げるとゴール板手前でわずかにクビの差でヒカルアマランサスを差し切り、前年の優駿牝馬以来のGI勝利となった。 この後はファン投票で1位となった宝塚記念へ出走。ドリームジャーニーやジャガーメイルといった有力馬が出そろったが、1番人気に支持された。レースでは同期の日本ダービー優勝馬ロジユニヴァースを見る形でレースを進めた。直線に入ると内からアーネストリーを交わして一旦先頭に立ったが、外から追い込んできたナカヤマフェスタに交わされ2着に敗れた。 秋はステップレースを使わずに天皇賞(秋)を目指すが、これまで主戦を務めていた横山が落馬負傷したため、クリストフ・スミヨンに乗り替わり[注 1]となった。レースでは中団から差し切り、2馬身差をつけての完勝。父・スペシャルウィークとの父仔制覇を達成した。このレースでのパフォーマンスに対し、IFHAはワールド・サラブレッド・ランキングにおいて、日本で調教された牝馬としては最高の121ポンドのレーティングを与えている[注 2]。続いて出走した11月28日のジャパンカップでは、最後の直線で先頭に立ち1位入線を果たすが、最後の直線で急に内側に斜行し、2位入線のローズキングダムの進路を妨害していたため、24分間にも及ぶ審議の結果2着に降着となった[注 3]。雪辱を期して陣営は第55回有馬記念に出走。中団から差しを試み、ヴィクトワールピサと並んでゴール。写真判定の結果2着に敗れたものの、同年にGI競走に勝利していたことから、報奨金2000万円を獲得した。この年のG1競走を2勝、2着4回の活躍が認められ、JRA賞年度代表馬および最優秀4歳以上牝馬に選出される。牝馬の年度代表馬は史上4頭目である[注 4]。また、中央競馬での獲得賞金が10億円を突破。牝馬ではウオッカ以来、史上2頭目かつ最速の10億円突破である[注 5]。
ブエナビスタ 5歳(2011年)
2月4日(日本時間)、ヴィクトワールピサ、後にトランセンドとともにドバイワールドカップに選出され、招待を受諾したと発表した[4]。前年とは異なりステップレースを使わず直接ドバイワールドカップを目指した。スミヨンが同競走に出走するボールドシルヴァノに騎乗することが既に決まっていたため、ここではライアン・ムーアが騎乗した。レースでは、スローペースの道中を後方待機し、最後の直線では進路確保に手間取ったことが響いて8着となり、初の着外負けを喫した。 帰国後は6人目の騎手となる岩田康誠を背にヴィクトリアマイルに出走した。前年の三冠牝馬アパパネとの対戦に注目が集まったこのレースでも1番人気に支持された。しかしレースでは、後方でアパパネをマークする形で進み、最後の直線でアパパネとともに追い込んで叩き合いとなったが、クビ差で2着。続く宝塚記念では、道中は中団待機し、直線では大外に持ち出して追い込んだが届かず、アーネストリーの2着となった。 秋はステップレースを使わず天皇賞(秋)に1番人気で出走、牝馬初の連覇を目指した。レースでは中団の内々を追走し、直線で内を突いたものの4着に敗れた。芝2000mのそれまでの日本レコード1分56秒4と並ぶタイムだったが、国内で3着以内を初めて外した。
ブエナビスタ 競走成績
競走日 競馬場 競走名 格 距離(馬場) 頭数 枠番 馬番 オッズ(人気) 着順 タイム(上り3F) 着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬) 2008.10.26 京都 2歳新馬 芝1800m(良) 11 4 4 2.3(1人) 3着 1:52.0(33.5) 0.3 安藤勝己 54kg アンライバルド 11.15 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 14 3 4 1.2(1人) 1着 1:34.9(34.5) -0.5 安藤勝己 54kg (ハッピーパレード) 12.14 阪神 阪神JF JpnI 芝1600m(良) 18 7 13 2.2(1人) 1着 1:35.2(34.8) -0.4 安藤勝己 54kg (ダノンベルベール) 2009.3.7 阪神 チューリップ賞 JpnIII 芝1600m(良) 13 4 5 1.1(1人) 1着 1:36.5(34.7) -0.2 安藤勝己 54kg (サクラミモザ) 4.12 阪神 桜花賞 JpnI 芝1600m(良) 18 5 9 1.2(1人) 1着 1:34.0(33.3) -0.1 安藤勝己 55kg (レッドディザイア) 5.24 東京 優駿牝馬 JpnI 芝2400m(良) 17 4 7 1.4(1人) 1着 2:26.1(33.6) -0.0 安藤勝己 55kg (レッドディザイア) 8.23 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(良) 16 6 11 1.5(1人) 2着 2:00.7(35.1) 0.0 安藤勝己 52kg ヤマニンキングリー 10.18 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 2 3 1.8(1人) 3着[† 1] 1:58.2(34.3) 0.0 安藤勝己 55kg レッドディザイア 11.15 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 18 8 16 1.6(1人) 3着 2:13.9(32.9) 0.3 安藤勝己 54kg クィーンスプマンテ 12.27 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 1 2 3.4(1人) 2着 2:30.1(35.8) 0.1 横山典弘 53kg ドリームジャーニー 2010.2.20 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 13 8 13 1.5(1人) 1着 2:14.4(33.4) -0.1 横山典弘 55kg (ジャガーメイル) 3.27 メイダン ドバイSC GI 芝2410m(良) 16 10 10 発売なし 2着 計測不能 3/4馬身 O.ペリエ 55kg[† 2] Dar Re Mi 5.16 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 6 11 1.5(1人) 1着 1:32.4(33.5) -0.0 横山典弘 55kg (ヒカルアマランサス) 6.27 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(稍) 17 4 8 2.4(1人) 2着 2:13.1(36.3) 0.1 横山典弘 56kg ナカヤマフェスタ 10.31 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(稍) 18 1 2 2.2(1人) 1着 1:58.2(34.1) -0.3 C.スミヨン 56kg (ペルーサ) 11.28 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 2 3 1.9(1人) 2着[† 3] 2:24.9(33.5) -0.3 C.スミヨン 55kg ローズキングダム 12.26 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 15 4 7 1.7(1人) 2着 2:32.6(33.8) 0.0 C.スミヨン 55kg ヴィクトワールピサ 2011.3.26 メイダン ドバイWC GI 全2000m(良) 14 13 13 発売なし 8着 計測不能 3 3/4馬身 R.ムーア 55kg Victoire Pisa 5.15 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 17 7 13 1.5(1人) 2着 1:31.9(34.0) 0.0 岩田康誠 55kg アパパネ 6.26 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 16 4 8 2.8(1人) 2着 2:10.3(34.5) 0.2 岩田康誠 56kg アーネストリー 10.30 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 3 5 2.8(1人) 4着 1:56.4(34.7) 0.3 岩田康誠 58kg トーセンジョーダン ^ 2位入線3着降着 ^ 負担重量54.5kgの予定が0.5kg超過で出走 ^ 1位入線2着降着
ブエナビスタ 血統表
ブエナビスタの血統 (サンデーサイレンス系/Nijinsky II 4×3=18.75%、Turn-to 5×5=6.25%) 父 スペシャルウィーク 1995 黒鹿毛 * サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 Halo Hail to Reason Cosmah Wishing Well Understanding Mountain Flower キャンペンガール 1986 鹿毛 マルゼンスキー Nijinsky II * シル レディーシラオキ * セントクレスピン ミスアシヤガワ 母 ビワハイジ 1993 青鹿毛 Caerleon 1980 鹿毛 Nijinsky II Northern Dancer Flaming Page Foreseer Round Table Regal Gleam *アグサン Aghsan 1985 青毛 Lord Gayle Sir Gaylord Sticky Case Santa Luciana Luciano Suleika F-No.16-c 母・ビワハイジは阪神3歳牝馬ステークス優勝など重賞3勝。半兄にアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラがいる。
ブエナビスタ 脚注
^ スミヨンはこの騎乗のために10月30日・31日の2日間の短期免許を取得している。 ^ これまでの最高はファビラスラフイン(1996年)、シーザリオ(2005年)、ウオッカ(2008、2009年)に与えられた120ポンド。 ^ G1競走で1位入線馬が降着となったのは2006年エリザベス女王杯のカワカミプリンセス以来、史上3頭目。G1競走で2回目の降着処分を受けたのは史上初のワースト記録。(翌年にダッシャーゴーゴーも記録) ^ 過去の3頭は1971年のトウメイ、1997年のエアグルーヴ、2008年および2009年のウオッカ。 ^ ウオッカは5歳時の毎日王冠で獲得賞金10億円を突破した。