マイルチャンピオンシップ
マイルチャンピオンシップ 第6回マイルチャンピオンシップ 開催地 京都競馬場 施行日 2011年11月20日 施行時期 11月中旬 - 下旬 (原則5回京都6日目) 格付け GI 1着賞金 1億円 賞金総額 1億9000万円 距離 芝・外1600m 出走条件 サラブレッド系3歳以上(国際)(指定) 出走資格も参照 負担重量 定量(3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減) 第1回施行日 1984年11月18日 マイルチャンピオンシップとは日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場の芝1600mで施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。秋のマイラーチャンピオン決定戦として位置づけられているレースである。 タイトルにある「マイル」とは1マイルのことで、本来1マイルは1609mであるが、日本の競馬では概ね10m以下の端数数値を切り捨てて計算するため、このレースも1600mでの開催となっている。 正賞は日本馬主協会連合会長賞。
マイルチャンピオンシップ 概要
1984年、中央競馬にグレード制が導入された際、短距離路線の番組体系が整備された。この時、1マイルのチャンピオン決定戦として春は既設重賞の安田記念がGIに指定され秋は本競走がGIとして新設された。これによりマイル戦線の春秋2冠体制が確立され、現在に至るまで施行条件、時期などの変更は行われていない。 また当初はマイラーズカップが秋に移動して格上げの予定であり主催者から馬主サイドへ示されていたが、直前になって新設重賞となった経緯がある。
過去には最も荒れないグレードワン(創設から1994年までは1番人気の連対率は100%だった)と言われたが1995年は1番人気のビコーペガサスが4着に沈んでレース史上初めて連対を外し、16番人気のメイショウテゾロが2着に突っ込み馬連は10万馬券の大波乱となった。2000年には13番人気のアグネスデジタルが優勝したことや2002年には当時のGIレースの配当金のレコード(三連複:379390円)を更新したことなどここ最近は荒れるケースも多く見られ、かつての「荒れないレース」というイメージはかなり薄らいでいる。しかし、近年はダイワメジャーが連覇(2006年、2007年:いずれも1番人気)するなどやや落ち着きつつある。また関西主場開催のGIにしては珍しく関東馬の活躍も多い。 1998年から外国馬の参戦が可能となり、2003年に初めて外国馬が参戦した。2004年から国際グレードワンレースに指定された。
2008年からはジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定される。また、一定の実績を持って参戦した外国調教馬が3着以内に入着した場合に褒賞金が支給される制度がある[2]。 出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属の競走馬及びJRAの2歳限定戦を除くGI競走優勝馬・出走権(富士ステークス・スワンステークスの2着以内入賞)を得た地方所属の競走馬及び外国調教馬(9頭まで)。 負担重量は定量で3歳は56kg、4歳以上は57kgで、牝馬は2kg減である。
2011年度現在の賞金総額は1億9000万円で1着賞金:1億円、2着賞金:4000万円、3着賞金:2500万円、4着賞金:1500万円、5着賞金;1000万円と定められている。 現在の優勝レイの配色は緑色の地に金色の文字となっている。
マイルチャンピオンシップ 外国馬の優先出走権
2009年5月の改定にて、その年のムーラン・ド・ロンシャン賞もしくはクイーンエリザベス2世ステークスを優勝した外国馬には当競走への優先出走権が付与されることとなった。しかし、2011年現在で優先出走権を使用した例はない。
マイルチャンピオンシップ 褒賞金制度
ジャパン・オータムインターナショナルシリーズとなった2008年より、指定の海外競走に優勝した競走馬がその年の当競走に出走し優勝した場合には優勝賞金に加え褒賞金を交付している。また2009年5月の改定で範囲が拡大され、
3着までに入着した場合にも褒賞金が交付されることとなった。しかし、2010年現在で制度導入後に褒賞金を獲得した事例はない。指定競走と金額は以下の通り。セントジェームズパレスステークスは3歳馬によるレースでサンチャリオットステークスは牝馬によるレースであり、その他は全て古馬混合レースである。
2011年現在 開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年 褒賞金 クイーンアンステークス G1 アスコット 芝8f 2008年 - 1着:7000万円 2着:2800万円 3着:1800万円 サセックスステークス G1 グッドウッド 芝8f クイーンエリザベス2世ステークス G1 アスコット 芝8f ジャック・ル・マロワ賞 G1 ドーヴィル 芝1600m ムーラン・ド・ロンシャン賞 G1 ロンシャン 芝1600m ウッドバインマイル G1 ウッドバイン 芝8f フューチュリティステークス G1 コーフィールド 芝1600m ドバイデューティーフリー G1 メイダン 芝1800m チャンピオンズマイル G1 沙田 芝1600m セントジェームズパレスステークス G1 アスコット 芝8f 2010年 - サンチャリオットステークス G1 ニューマーケット 芝8f 過去 開催国・競走名 格付 施行競馬場 施行距離 指定年 ロッキンジステークス G1 ニューベリー 芝8f 2008年 - 2009年
マイルチャンピオンシップ 歴史
1984年 - 京都競馬場の芝外回り1600mにてサラブレッド系4歳(現3歳)以上の定量重量(負担斤量は3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)競走マイルチャンピオンシップとして新設。この年からグレード制が施行され本競走はGIに格付けされた。当時の1着賞金は5000万円であった。 1985年 - ニホンピロウイナーが初の連覇。 1986年 - タカラスチールが牝馬では初の優勝。 1987年 - 1着賞金が6000万円に増額される。 1989年 - 元地方笠松所属のオグリキャップがJRA転厩馬として史上初の優勝。 1990年 - 1着賞金が8000万円に増額される。 1992年 1着賞金が9300万円に増額される。 ダイタクヘリオスが2頭目の連覇。 1993年 - シンコウラブリイが外国生産馬で初の優勝。 1995年 1着賞金が9400万円に増額される。 指定交流競走に指定され、地方所属馬にも門戸が開かれる。 元地方浦和所属のトロットサンダーがJRA転厩馬として史上2頭目の優勝。また16番人気のメイショウテゾロが2着に入り、馬連が104,390円という高額配当となる。 1998年 国際競走に指定され、外国調教馬は5頭まで出走可能となる。 タイキシャトルが3頭目の連覇。 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「サラブレッド系4歳以上」から「サラブレッド系3歳以上」に変更。 2002年 - 元地方岩手所属のトウカイポイントがJRA転厩馬として史上3頭目の優勝。 2003年 - 外国調教馬[6]が本競走に初出走する。 2004年 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)により国際GIに指定。それにより外国調教馬は9頭まで出走可能となる。 デュランダルが4頭目の連覇。 2006年 - 1着賞金が1億円に増額される。 2007年 - ダイワメジャーが5頭目の連覇。 2008年 - ジャパン・オータムインターナショナルに指定。 2009年 - カンパニーが国内最高齢となる8歳での優勝(平地GI競走で)。 2010年 - エーシンフォワードがコースレコード(1:31.8)で優勝。
マイルチャンピオンシップ 歴代優勝馬
国際競走となった1998年以降は優勝馬の国旗を表記する。 回数 施行日 調教国・優勝馬 性齢 勝時計 優勝騎手 管理調教師 馬主 第1回 1984年11月18日 ニホンピロウイナー 牡4 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎 第2回 1985年11月17日 ニホンピロウイナー 牡5 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎 第3回 1986年11月16日 タカラスチール 牝4 1:35.3 田島良保 坂本栄三郎 村山義男 第4回 1987年11月22日 ニッポーテイオー 牡4 1:34.9 郷原洋行 久保田金造 山石祐一 第5回 1988年11月20日 サッカーボーイ 牡3 1:35.3 河内洋 小野幸治 (有)社台レースホース 第6回 1989年11月19日 オグリキャップ 牡4 1:34.6 南井克巳 瀬戸口勉 近藤俊典 第7回 1990年11月18日 パッシングショット 牝5 1:33.6 楠孝志 橋田満 森本忠治 第8回 1991年11月17日 ダイタクヘリオス 牡4 1:34.8 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一 第9回 1992年11月22日 ダイタクヘリオス 牡5 1:33.3 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一 第10回 1993年11月21日 シンコウラブリイ 牝4 1:35.7 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修 第11回 1994年11月20日 ノースフライト 牝4 1:33.0 角田晃一 加藤敬二 (有)大北牧場 第12回 1995年11月19日 トロットサンダー 牡6 1:33.7 横山典弘 相川勝敏 藤本照男 第13回 1996年11月17日 ジェニュイン 牡4 1:33.8 岡部幸雄 松山康久 (有)社台レースホース 第14回 1997年11月16日 タイキシャトル 牡3 1:33.3 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム 第15回 1998年11月22日 タイキシャトル 牡4 1:33.3 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム 第16回 1999年11月21日 エアジハード 牡4 1:32.8 蛯名正義 伊藤正徳 (株)ラッキーフィールド 第17回 2000年11月19日 アグネスデジタル 牡3 1:32.6 的場均 白井寿昭 渡辺孝男 第18回 2001年11月18日 ゼンノエルシド 牡4 1:33.2 O.ペリエ 藤沢和雄 大迫忍 第19回 2002年11月17日 トウカイポイント 騸6 1:32.8 蛯名正義 後藤由之 内村正則 第20回 2003年11月23日 デュランダル 牡4 1:33.3 池添謙一 坂口正大 吉田照哉 第21回 2004年11月21日 デュランダル 牡5 1:33.0 池添謙一 坂口正大 吉田照哉 第22回 2005年11月20日 ハットトリック 牡4 1:32.1 O.ペリエ 角居勝彦 (有)キャロットファーム 第23回 2006年11月19日 ダイワメジャー 牡5 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三 第24回 2007年11月18日 ダイワメジャー 牡6 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三 第25回 2008年11月23日 ブルーメンブラット 牝5 1:32.6 吉田豊 石坂正 (有)キャロットファーム 第26回 2009年11月22日 カンパニー 牡8 1:33.2 横山典弘 音無秀孝 近藤英子 第27回 2010年11月21日 エーシンフォワード 牡5 1:31.8 岩田康誠 西園正都 (株)栄進堂
マイルチャンピオンシップの記録 レースレコード - 1:31.8(第27回優勝馬エーシンフォワード) 2着との最大着差 - 5馬身(第4回優勝馬ニッポーテイオー/第15回優勝馬タイキシャトル) 最多勝騎手 - 3勝 河内洋(第1、2、5回)、岡部幸雄(第10、13、15回)、横山典弘(第12、14、26回) 最多勝調教師 - 4勝 藤沢和雄(第10、14、15、18回) 最高齢勝利馬 - 8歳(カンパニー/第26回優勝馬)
マイルチャンピオンシップ 連覇
春のマイル王決定戦である安田記念の約半分の開催数にもかかわらず、安田記念の3頭に対して既に5頭が連覇を達成している。 馬名 性齢 優勝回 1 ニホンピロウイナー 牡4 牡5 第1回 第2回 2 ダイタクヘリオス 牡4 牡5 第8回 第9回 3 タイキシャトル 牡3 牡4 第14回 第15回 4 デュランダル 牡4 牡5 第20回 第21回 5 ダイワメジャー 牡5 牡6 第23回 第24回
天皇賞(秋)とマイルチャンピオンシップ マイル戦を得意とする馬によってはマイルよりスプリント路線よりも距離の長いレースのほうが適性がある馬も多い。そのような馬は天皇賞(秋)からマイルチャンピオンシップというローテーションをたどる馬も多い。しかし中2週でGIレースを2つもこなすということは非常にハードなことであり、このような偉業を達成した馬はニッポーテイオーとダイワメジャーならびにカンパニーしかおらずオグリキャップもこの偉業を達成することはできなかった(ただし、オグリキャップは5歳時(旧年齢表記)に天皇賞(秋)2着→マイルチャンピオンシップ優勝→連闘でジャパンカップ2着というローテーションであった)。また最近では薄れているもののかつてはすでに安田記念や本レースを制覇している場合、レースの格や将来の種牡馬価値を高めるためなどを理由として秋競馬の大目標を天皇賞(秋)にすえ本レースが軽視されるという傾向があった(ヤマニンゼファー、トロットサンダーなど。また外国産馬のため当時天皇賞(秋)に出走権のなかったタイキブリザードはブリーダーズカップ・クラシックへ遠征した)。
武豊とマイルチャンピオンシップ 武豊は2010年現在この競走を優勝していない。マイルチャンピオンシップが施行される「京都競馬場・芝外回り1600m」戦で武豊は1998年以降、勝率・連対率・複勝率のいずれも1位である(騎乗数が少ない騎手は除く)。 マイルチャンピオンシップに関してはバンブーメモリー、ファインモーション、ダンスインザムードといった有力馬にも恵まれてはいるがなかなか勝利には恵まれない。それどころか第1回以来続いていた1番人気馬の連続連対記録を1995年にストップさせたり(その後も1997年にスピードワールドに騎乗して1番人気となったがタイキシャトルの12着に大敗、それ以降この競走で1番人気に騎乗していない)2008年は当日の第5競走で落馬負傷し乗り代わりとなるなど、武豊自身に巡り合わせの悪さがあるともいえる。なおこのレースには2007年までの間、騎乗停止で乗れなかった1991年、1998年、および本レース当日のレースで落馬負傷した2008年、そして2009年以外は毎年参戦しているが(0-4-3-12)という成績である。 2009年にヴィクトリアマイルをウオッカで初制覇したため、武が未勝利のJRAGIは当競走と朝日杯フューチュリティステークスのみとなっている。
地方競馬の「マイルチャンピオンシップ」
地方競馬でもマイルチャンピオンシップを範した競走がある。ただしマイルチャンピオンシップと同等の機能を持った競走とは限らない。 競走名 格付 主催者 施行競馬場 施行距離 備考 1 マイルチャンピオンシップ南部杯 統一JpnI 岩手県競馬組合 盛岡競馬場 ダート1600m 2 黒潮マイルチャンピオンシップ 重賞 高知県競馬組合 高知競馬場 ダート1600m 2001 - 2008年は開催中止 ただしマイルチャンピオンシップ南部杯は2011年は中央競馬での開催となる。
マイルチャンピオンシップ特徴
関西で行われる重賞だが、西高東低時代にある中で関東馬の健闘が目立ち関西のGIで唯一関東馬が勝ち越しているレースであり、1995年から5年連続で関東馬が制していた。また、2006年には1着のダイワメジャーから6着まで関東馬が占めた(ただし、このときの1・2・5着の馬に騎乗したのは関西所属の騎手)。 本競走は、京都競馬場で行われる年内最後のGI競走である。
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