ヴィクトワールピサ
ヴィクトワールピサ(英: Victoire Pisa、中: 比薩勝駒)は、日本の競走馬である。
主な勝ち鞍は2011年のドバイワールドカップ、2010年の皐月賞、有馬記念。日本馬として史上初めてドバイワールドカップに優勝した。
馬名の意味は「勝利の山」(フランス語)に冠名。
2009年10月25日、ヴィクトワールピサは京都の新馬戦で競走馬としてデビューした。
レースは1番人気に支持されるがローズキングダムを差し切れず2着に敗れ、中1週で同競馬場の未勝利戦に出走して初勝利を挙げた。
続く11月28日の京都2歳ステークスは直線で先頭に立ってそのまま押し切り、2勝目を挙げる。 レースでは馬群の中ほどに控え、直線詰まり気味になりながらも残り100mほどでエイシンアポロンを捉えて優勝した。 しかし、デビューから騎乗していた武豊が3月27日の毎日杯での落馬事故で負傷したため、4月18日の皐月賞では岩田康誠に乗り替わりとなった。 その皐月賞では、前年度JRA賞最優秀2歳牡馬のローズキングダムを抑えて1番人気に推される。レースでは後方の内に控え、直線もそのまま最内から抜け出して優勝した。 この勝利は父・ネオユニヴァースとの父子2代の皐月賞優勝でもあった。 管理調教師の角居勝彦は、この勝利から前年まで厩舎の看板であったウオッカの後継馬へと期待を膨らませ[2]、凱旋門賞への一次登録を行った[3]。 しかし、5月30日の第77回東京優駿も1番人気に支持されるが、先に抜け出したエイシンフラッシュ、ローズキングダムを交わすことができず3着に敗れた。 6月26日、角居からヴィクトワールピサの凱旋門賞挑戦が発表された。 この遠征は日本調教馬が3歳で凱旋門賞に挑戦する初めてのケースである。8月19日(日本時間)、ヴィクトワールピサは帯同馬のピサノヴァロンと共にアムステルダム経由でフランス入りした。 フランス入り後はシャンティイ調教場で調教を重ね、まずプレップレースとして9月12日のニエル賞(G2)に出走した。レースでは中団のやや後ろを追走し、直線で懸命に追い上げてくるも残り200m付近で脚が止まり4着に敗れた。 続く凱旋門賞では直線入り口での位置取りが絶望的だったため、確かな脚を見せたが、勝ったワークフォースから8馬身以上離れた[6]7着[註 1]に終わった。 帰国後の初戦は11月28日のジャパンカップを選択した。 主戦騎手の武豊がローズキングダムに騎乗することが決まっていたため、鞍上はマキシム・ギュイヨンに乗り替わった。当初、騎手はミルコ・デムーロに乗り替わることが発表されていたが、デムーロがオーナーと騎乗契約を結んでいるヴォワライシに騎乗するため直前に変更された。 レースは2番手グループで流れに乗ると直線ではローズキングダムとの激しい争いとなり、ハナ差でローズキングダムに交わされて3着となった。 騎手がミルコ・デムーロに交代した12月26日の有馬記念では、4、5番手追走から早めに先頭へ立ち、追い込んできた1番人気のブエナビスタをハナ差振り切って優勝した。 レース後の会見で、オーナーの市川は次走を香港のクイーンエリザベス2世カップにすることを明言した。また、秋は前年に引き続き凱旋門賞へ向かうことをデムーロが強く促した。 その後ドバイから香港へ移動し、クイーンエリザベス2世カップ出走に向けて調整されていたが、右後肢に軽度の跛行が生じたため、同レースを回避した[12]。4月27日に一旦日本に帰国。 秋のローテーションについては、アイリッシュチャンピオンステークスから凱旋門賞に出走するプランとなっていたが、後にフォワ賞から凱旋門賞に出走するプランに変更[註 2]。さらに、その凱旋門賞で勝利した場合は引退して種牡馬入りし、敗れた場合はジャパンカップに出走する予定であるとオーナーの市川が発表した[14]。 しかしレースに向け、8月10日に現地に到着し[15]調整を行っていたが、13日に行った調教後に左後肢の跛行が生じ、また左飛節に炎症があることがわかり、5週間程度の安静が必要との診断を受けたことからフォワ賞と凱旋門賞への出走を取りやめた。
ヴィクトワールピサ 競走成績
競走日競馬場競走名格距離(馬場)頭数枠番馬番オッズ(人気)着順タイム(上り3F)着差騎手斤量(kg)1着馬(2着馬)
2009.10.25京都2歳新馬芝1800m(良)118111.8(1人)2着1:49.0(34.1)0.1武豊55ローズキングダム 11.7京都2歳未勝利芝2000m(良)11791.2(1人)1着2:01.8(34.2)-0.6武豊55(フィールドペガサス) 11.28京都京都2歳SOP芝2000m(良)5441.5(1人)1着2:01.6(34.2)-0.2武豊55(メイショウホンマル) 12.26阪神ラジオNIKKEI杯2歳SJpnIII芝2000m(良)15231.6(1人)1着2:01.3(34.2)-0.0武豊55(コスモファントム) 2010.3.7中山弥生賞GII芝2000m(重)13111.7(1人)1着2:06.1(36.1)-0.1武豊56(エイシンアポロン) 4.18中山皐月賞GI芝2000m(稍)187132.3(1人)1着2:00.8(35.2)-0.2岩田康誠57(ヒルノダムール) 5.30東京東京優駿GI芝2400m(良)17472.1(1人)3着2:27.2(33.1)0.3岩田康誠57エイシンフラッシュ 9.12ロンシャンニエル賞G2芝2400m(重)737-4着計測不能8 1/4馬身[† 1]武豊58Behkabad[† 2] 10.3ロンシャン凱旋門賞GI芝2400m(重)20519-7着[† 3]計測不能8 1/2馬身[† 1]武豊56Workforce[† 2] 11.28東京ジャパンCGI芝2400m(良)181228.2(8人)3着2:25.2(34.4)0.0M.ギュイヨン55ローズキングダム 12.26中山有馬記念GI芝2500m(良)15118.4(2人)1着2:32.6(34.6)-0.0M.デムーロ55(ブエナビスタ) 2011.2.27中山中山記念GII芝1800m(良)12791.4(1人)1着1:46.0(33.9)-0.4M.デムーロ58(キャプテントゥーレ) 3.26メイダンドバイワールドCGI全2000m(良)1466発売なし1着2:05.941/2馬身[† 4]M.デムーロ57(Transcend)[† 2]
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